臼杵市議会6月定例会で行った一般質問についてご報告します。
<質問1:高齢者福祉を充実させていく取り組みについて>
臼杵市における高齢化率は2040年には45,6%と予想されています。これからも生産年齢人口が急減、85歳以上の割合が増えることから、介護のニーズは高まり高齢者の一人暮らしや高齢夫婦のみの世帯、認知症の方が増えていくことが見込まれています。さらにコロナ禍で、高齢者の暮らしはさまざまに制限され、その影響から回復しきれていない方々もいらっしゃいます。『地域共生社会』をめざすうえでカギとなる「地域包括ケアシステム」の構築について。また、コロナ禍で途切れてしまった感もある高齢者の見守りや支え合い・集いの場の必要性など、現状への認識や支援施策について聞きました。
※地域包括ケアシステム…
団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、制度の持続可能性を維持しながら高齢者が可能な限り住み慣れた地域で その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことを可能としていくため、医療、介護、予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制。
<質問2:公共建築物のマネジメントについて…公共施設といえば道路や公園なども含むのですが、いわゆるハコモノと呼ばれる建築物のマネジメントについて質問しました>
国内のあらゆる自治体で昭和の高度成長期に整備された公共施設の老朽化対策が大きな課題となっていますが、臼杵市も例外ではなく、築31年以上の施設が6割を占めることから、改修や更新に多額の経費が必要になってきます。
人口減少などにより税収は減り厳しい財政状況が予想されるなか、施設の維持管理を適正に行っていくことが必要です。加えて年齢別人口比率などの変化に伴ってニーズも多様化し施設のあり方は見直しが求められています。こうした背景を受け、公共施設などの適正な維持管理やあり方に関する「臼杵市公共施設等総合管理計画」が2016年3月に策定されました。
計画の中では、施設の総量を10%削減し最適化することが掲げられています。削減に向けては、一つ一つの施設に要する経費(新設の費用はもちろん既存の公共施設を維持するためのコスト)を算出。対して、市民が享受できる利益(利用状況や、住民にもたらす交流・親睦といったメリット)を提示。コストとメリットの『費用対効果』をわかりやすく公開し、共有することが大切だと考え、その方法などを質問しました。
臼杵市の人口推計によると、2015年 から の10 年間で 約6,000 人減少することが予想されている一方で、今後次々に耐用年数を迎えるハコモノには莫大な費用が必要となります。本市の公共施設の更新費用は、2016年からの40年間で 約2250億円、1年当たりの整備額が 56,3 億円と示されています。公共建築物にかかるコストが財政を圧迫し続けることのないように、空いてしまった建物は、利活用ありきというばかりではなく、財政的に有利に処分できるものは売却する、もしくは財政に余力があるうちに解体するという観点で検討することも必要だと思います。もちろん住民の意向を汲むことは大切で、そのうえで市として「建物を残し利活用する」と決めるのなら、市民の声を十分に拾い活かすことが重要。公共建築物を考えることは、その地域をどうしていきたいか、というまちづくりそのものだからです。臼杵市が持続可能なまちとしてあり続けるために、市民サービスの低下を抑えながら機能を集約して、ハコモノのあり方を吟味していく必要があるという認識を市と共有するために質問しました。
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